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Fumiyuki Kodaka ~Fumiyuki's living in Ibaraki~

茨城で活躍するあの人に焦点を当てる「One's living in Ibaraki」。

2018年第1回目のインタビューは、昨年秋に東京から茨城(つくば)に拠点を構えたばかりの花屋「Blanc」オーナー小高央之さん。新たな環境で自らチャレンジをすること、「季節の花を大切にする」フローリストとしての想いを伺いました。

ーご出身は栃木県という小高さん。昨年秋に茨城で独立されるまで、どのような道のりがあったのでしょうか?

出身は栃木ですが、茨城との県境で生まれ育ったので、幼い頃から茨城はとても近い存在でした。大学進学を機に上京するのですが、2年ほど大学生活を送ってみて、ふと花の道に進みたいと考えるようになりました。周りからは、大学を続けながら花を学べば良いのではと、色々提案もされましたが、やるからには本気で向き合いたいという思いがあったので。特に何か明確なきっかけがあったわけでもないのですが.... ごく自然の流れで大学を中退することを決意しました。

ーそれから21歳で花の道へ。当時はどのような心境でしたか?

本当に全く花の知識がなかったので、とにかく無我夢中でした。お花屋さんって一見とても華やかで綺麗なイメージを持たれやすいんですが、それはほんの一部にしかすぎません。僕の場合はじめからそういったイメージを持っていなかったので、働き始めてからも特に大きなギャップもなく、長く続けて来れたのかなとも思います。それから栃木の実家からもほど近い茨城県筑西市にある「インターフラワーデザインズという花屋に入社しました。

ー初めは茨城のお花屋さんだったのですね。当時はどのような生活を送っていたのですか?

当時はとにかく花の名前を覚えるのに必死でしたね。夢中で仕事を覚えるために、自宅と職場を往復する毎日。それから5年ほど経って、少しずつ店舗を1人で任せてもらいお客様と向き合える時間が作れるようになると、誰かのために花を束ねる楽しみを実感できるようになったんです。週末はブライダルも担当させてもらっていたのですが、お客様の人生の大切な日に携わらせて頂くやり甲斐もありました。とにかくやればやるほど身になっていくのが嬉しくて、無我夢中で働く日々だったと思います。

ーそれから東京の店舗へ転職。さらに忙しくなる日々・・・

花屋を志した時から、いつか独立しようという想いがあったので、一度は都内のお店で経験を積み、自分の幅を広げたいと考えていました。僕はあまり他の花屋さんについて詳しくないのですが、唯一気になっているお店が東京・南青山にある「Le Vésuve (ル・ベスベ )」でした。

オーナーの高橋郁代氏の本にはとても影響を受けましたし、季節の花を大切にすること、花への考え方など、ベスベで下積みした6年間は現在の自分を築くうえで欠かせない経験だったと思います。

前職のブライダルで学んだ経験を活かし、ベスベでも主にブライダルを担当させてもらっていたのですが、そこは東京。仕事量は増える一方でした。刺激の多い毎日でしたが、次第に最初から最後まで自分1人でこなすことが難しくなり、少しずつ自分の気持ちとのズレを感じるようになっていきました。

そんな生活を送りながら30歳を迎えた頃、「独立」への想いがより強くなったように思います。当初は拠点をどこに設けるか、つくばか栃木で悩んでいたのですが、実際にそれぞれの街に足を運んで「つくば」の街の魅力に惹かれ、移住することを決意しました。

(インタビュー当日にサプライズで束ねて来てくださったブーケ。Blackboard cafe にて。)

ーつくばで暮らし始めておよそ半年。実際に暮らしながら東京と茨城の違いをどのように感じていますか?

自然も多く、周りの風景や時間の流れがとても穏やかに感じますね。自分自身、東京で働いていた時よりも花本来と向き合える時間は多くなったので、花を贈るお客様の想いをしっかりと込めて丁寧に創作できるようになったと思います。

その一方で、花を身近に生活へ取り入れること、地域特有の価値観の差はまだあるように感じています。そのため今後は地域のお客様のリアルな声に耳を傾けながら、花や植物の魅力を自分らしく提案していきたいと考えています。

ー小高さんの束ねる花はいつも自然体な美しさが魅力だと感じています。

今の時代、市場へ行けば冬でもヒマワリを仕入れることが出来て、ドライフラワーやハーバリウムといった花をより長く楽しめるアイテムも多くなりましたが、そんな状況において「季節の花」を大切にするのには何か理由があるのでしょうか?

季節の花を大切にするのは、終わりある花の美しさを愉しみ、そして次の花を迎える喜びを感じることだと考えています。終わりある儚い命だからこそ愛おしく、その次へ進む喜びがあるという自然な循環を、お客様に少しでも楽しんで頂ければと想っています。

ー素晴らしい想いですね。Blancさんで注文制というスタイルをとっているのはそれに由来しているのでしょうか?

そうですね。ご注文を受けてから花を束ねるようにしているのは、可能な限り花のロスを減らすためでもあるんです。花を破棄することは金銭的な負担もありますが、生きている花を粗末にしてしまうという心苦しさからくるものが大きい。そのためBlancではお客様からのご注文を受けてから花を仕入れ、想いを込めて束ねていくという過程をとても大切にしています。

ー昨年12月からつくば市内のカフェで出張販売を始められたとか。その様子もInstagramでは話題を呼んでいましたね!

地域の方々と直接お会いできる機会を頂けるのは本当に有難いですね。現在は店舗を持たずに活動してるので、実際にお客様とお会いして花やそのイメージを見ていただけたり、その都度その場所に合う花を選んだり考えたりする時間がとても楽しく、これからも定期的に開催させてもらえればと思っています。茨城ではこのようなスタイルの花屋がまだ少ないので、実店舗を持たないからこそ、様々な場所へ柔軟に溶け込んでいけるような花屋になりたいですね。

(昨年12月にBlackboardにてブースを出されていた時の様子。)

ーこれからのご活躍が本当に楽しみです!今後はどのようなことにチャレンジしていきたいですか?

例えばお店を飾る生け込み、カレンダー、ダイアリー製作など、挑戦したいことは沢山ありますが、いわゆるアート作品の製作やコンテストに自分の花を出品することには全く興味がないんです。とにかくお客様の日々の暮らしに溶け込むような花を、これからも丁寧に束ねていきたいと思っています。

ー素晴らしいお話を聞かせて頂きありがとうございました。また今後も何か楽しいことをご一緒できれば嬉しいです。その時を心から楽しみにしています。

<出張販売のお知らせ>

◆1月28日(日) 12:00〜19:00

場所:Blackboard (茨城県つくば市手代木291−3)

◆1月31日(水) 12:00〜16:00

Interview:

小高央之 (Fumiyuki Kodaka)

Instagram: @blanc_tsukuba

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